実家に帰ってゆるりと年末。ゆるりと、とは言ったものの、早くもなんもすることないことに飽きた。
で、2016でも振り返ろうかと、PCを開いた次第。
今年の頭は正月休みもそこそこに『臨床犯罪学者 火村英生の推理』の執筆に勤しんでた。『火村〜』は初めてトライする本格ミステリの脚本だったんだけど、書いててずっと楽しかった。いつも書くようなコメディ要素が前面に出た作品じゃないけど、普段は海外ドラマのミステリーとかクライム・サスペンスが大好きなので、「そんな感じ」の世界を書けるのが嬉しかったし、本格ミステリーの数学的なロジックを組み立てるのが意外と性に合ってた。実はコメディと似てるとこもあって、前フリはしっかりするとか、こそっと伏線いれとくとか、オチは短く鮮やかに、とか。出来上がったドラマも、斎藤工くんも窪田正孝くんもハマってたし、映像もカッコよかったし、家で観てて「いいねぇ〜」って、キャスト&スタッフに拍手。これまで書いてたコメディには、些細なことでも「ちょっとニュアンス違うなぁ」とか「そう撮っちゃったかぁ」的なことがなかったわけじゃないんだけど、『火村〜』は「そう!それですよ!」「頭に描いてたよりいい!」ってことが多かった。慣れないこともトライしてみるもんだ。またこの手合の作品は書いてみたいなぁ。
『99.9』『HOPE』『LAST COP』と、役者として連ドラに立て続けに参加できたのは今年の大きなトピックス。脚本や舞台で数ヶ月間、同じチームでガッツリ作品を創っていくのも好きだけど、ドラマの現場でいろんな人と会って、その場の瞬発力で生まれるものを探るのもこれまたいいよなぁと再認識。特に『99.9』で初共演させてもらった香川照之さんの撮影現場でのアプローチはとっても勉強になった。常に客観的な目線で「このシーン、もっとなんかないか?」を探りつつ、自分の意見を押し付けず、スタッフや共演者と、その場で練り上げていくスタイル。『99.9』の刑事専門ルームのシーンは松潤くん、片桐くんと四人で朝のメイクの時間からアイディア出し合って、榮倉さん、渡辺さん、スタッフを巻き込んでリハーサルでいろんなことを試して、っていう舞台の稽古で時間かけてやることをギューっと一日でやっていく感じで、楽しかったし、がっつり影響受けた。もちろん同じようには出来ないけど、その後の現場では自分なりにそのスタイルを継承させてもらって、おかげで前以上にドラマのお仕事が楽しくなってる。
『世にも奇妙な物語』『勇者ヨシヒコ』『刑事ダンス』『家政婦のミタゾノ』『リテイク』も、短期間のゲスト出演だったけど、どれも自分なりに濃い時間が過ごせた。『家政婦のミタゾノ』は俺史上、最もマギ汁全開回だったんじゃないかな。来年の『嘘の戦争』もすでに撮影始まってるけど、この調子で楽しくやっていきたい。とにかく今年は舞台がなかったこともあるけど「ドラマ、楽しい!」って思った年だった。
トークライブ『ひっそり猿ホザキ』は今年は4回開催。ニコ生『シスチャン情報局』も毎月生放送でやるようになって、この2つはホントに自分の楽しみ、趣味でやってることなんだけど、やっぱり「ほとんど何も決めずにドン!」なライブ感が好きなんだな。ドラマや脚本の楽しさとは違う、その場限りのノリやアドリブで思う存分遊べる場所として、来年もやっていきます。
そんで来年の話。ジョビジョバ再起動。
経緯や決意はHPのコメントやツイートに書いた通り。
2014のU-1グランプリでの再集結は、ジョビの活動休止以降の、ひとつの夢が叶った形だったんだけど、やってみたら欲深いもんで夢がもうひとつ出来た。
それが「キープオンしていきたい」ってこと。
再集結して、やっぱり6人で作ったコントは面白い!って手応えがあった。6人が面白がるセンスの共有、共通言語の伝わる速度は、そりゃ10年一緒にいただけはあるものだった。活動休止以降、いろんな分野、世代の人たちとひとつのものを創っていくと、思わぬ化学変化があってすごく楽しかった。けど6人でのコント作りにはそんな中で忘れかけていた、グループならではの純度の高さ、濃さがあった。この環境で新作を作り続けたい、それは再集結の稽古中から思ってた。
そして再集結から一年後、TEAM NACSの演出をさせてもらった。彼らが「なんだかんだ言いながらずっとやってきたこと」は、ジョビには出来なかったことなので羨ましくもあったんだけど、もっと羨ましかったのが「この先もなんだかんだ言いながらずっとやっていく」感だった。「ずっとやってたいんです」と言い切るリーダー森崎さんの言葉に、漠然と、なんか、ロマンみたいなもの?を感じてしまった。
と、同時に「そんなん俺もやったらぁ!」な気持ちに火がついた。ジョビジョバを結成した当時の、面白い小劇場や深夜のお笑い番組を見るたびに思ってた「俺もやったらぁ!」な初期衝動、それに近い気持ちが蘇った。同じタイミングで、福田さんから「6人だけでやるべきです!」と背中を押された。その勢いでメンバーひとりひとりを説得した。それぞれのモチベーションは様々だろうけど、6人が面白がれるコントをライブでやってこう、ってことは一致した。それで充分だ。
思えばジョビジョバの過去の10年の活動において「自分たちが面白がれることをやる」ということだけはブレてなかった。でも最初の五年(第一期)はどんどん増える動員とともにわけもわからない勢いに乗っかっているのが同じくらい楽しかった。TVに出るようになってからの後半五年(第二期)は、どんどん増えるファンに押されて、期待に応えること、逆に裏切ること、焦りや戸惑いをバネにしている部分も大きかった。
そしてこれからの第三期は、自分たちのペースで、純粋に「自分たちが面白がれること」に向き合うことが出来そうな気がしてる。そしてそれを楽しみに待ってくれる方々と一緒に、キープオンしていきたいと思っている。
まぁ経緯や決意を語ったところで、形にしてかないとね。
来年のGW、第三期の一発目、「やったらぁ!」です。
お楽しみに!