供養
2006年4月30日(日)02:57 投稿者 マギー
「ジョ〜ビジョバァ〜」とキョンキョンに唄われるたびに、「ハイ」と返事してしまうマギーです。
『ブス恋』も好調のようで。こっからさらにどんどんオモシロです。
『サラリーマンNEO』は昔の作品がDVD化したそうで(恥ずかしくて見てませんけど)。
今やってるなんか懐かしい深夜のコント番組のノリ、最初に描いてた形に近づいてきてます。
併せて火曜はお楽しみに。
さて、4月13日号の『ぴあ』に掲載されたミニコラム。見逃した!な方の為にここに転載いたします。
東京というテーマのコラム集で、編集さんからの「明大前で」とのオファーにより書いたコラムです。
―「明大前」、である。学生時代に通い、何度も口にしたこの地名、改めて考えると変だ。「明大前」。いきなり略されてる。学芸大学や都立大学、成城学園前、大学名のフルネームが名前になってる駅は多いのに、「明大」ときた。同じ路線に駒場東大前がある。「あ、駒場の東京大学っす、みんなからは東大って呼ばれてます」そんな自己紹介を聞いて思いついた感じ。「あ、オレも明大って呼んでください」。最初の自己紹介で言った名前がその後の通り名。略が通り名。もはやハマショーだ。浜省前だ。
しかも、明治大学って本校舎は御茶ノ水にある駿河台校舎。だから明大前にある明大は偉そうに略されてはみたものの、所詮は分家。つまりはハマショーの弟。浜省(弟)前だ。
しかもしかも、「前」って言ったってもちろん正確には明大周辺、明大あたりってことだから、これはもうハマショーの弟のとりまきの人たち、或いは、浜省(弟)っぽい人。もう誰なんだかわからない。
嗚呼、浜省(弟)っぽい人と過ごした青春の日々・・・。
(4月13日発行『Weeklyぴあ』より)
で、実は、自分の中でボツにしたもう一個の原稿があって。
ボツにした理由は「ひとり猿雑記」っぽいから。
なので、せっかくですからここに蘇らせます。蘇載!(そんな言葉ないけど)
―明大前。学生時代に毎日通った町も、今では車で通り過ぎるだけの町になった。60キロで通り過ぎる町並には、驚くほどなんの感慨もない。
東京には「住む町」と「行く街」がある。そしてそれ以外は全て「通り過ぎる町」だ。
学生時代、吉祥寺に住みコントをはじめたオレには、明大前よりも下北沢、下北沢よりも渋谷。たまたま受かった大学があるだけの明大前は通り過ぎたい町だった。毎日のように「ここに居ちゃいけない」と思い続けていた。そして通り過ぎるようにミキのカレーを食べ、通り過ぎる人に宮古の二階からゲロを撒き散らし、校舎の外れでコントの練習をしては学生たちに通り過ぎられていた。「ここに居ちゃいけない」。明大前でオレはそう思っていた。
地方都市の人が東京に憧れるように、東京に住んでいても、急行じゃ次の駅ですら遠く感じることもある。
「ここに居ちゃいけない」と思い続けた毎日は、マッハの体感速度で駆け抜けた。そして今、記憶の中で「明大前」は通り過ぎた町でしかない。
こないだそんなことを考えながら車で明大前を通ったら、間違えて高速に乗ってしまい「行く街」を通り過ぎた。
これで成仏しました。以上、この場を借りての原稿供養でした。