巨星
2011年11月25日(金)00:58 投稿者 マギー
今撮影中のドラマで伊東四朗さんと共演させていただいている。
なんと伊東さんとは今年だけでご一緒するのが四本目だ。
春に『サラリーマンNEO劇場版』、夏にSPドラマ(放送は来春?)、秋にNHK−BSでのコント、そして今回。
別の作品で季節ごとにお会いするのもなかなか珍しいご縁。
今回は二人でのシーンも多く、お話させていただいく機会も多い。
“喜劇俳優”という言葉に誇りとこだわり持ち、ずーーーっと活躍されている大先輩との会話、現場での立ち居振る舞い、本当に勉強になる。
『「お笑い」って言い方が嫌いでね、僕は「笑い」って言ってるんだけど』
大先輩の含蓄ある言葉の数々が時にズシリと響き、チクリと刺さる。
中でも昔のお話を聞くのが大好きだ。
渥美清さん、三波伸介さん、藤田まことさん・・・今は亡き往年の喜劇スターたちのお名前に相槌も前のめりになる日々。
伊東さんにはオレが脚本を書いた『NIN−NIN』という映画に出てもらったことがある。
初めてジョビジョバ以外に書いた、しかも映画の脚本。
慣れないことも多く、正直すげぇ大変で、出来あがったホンにも不安なまま公開を迎えようとしていた頃、
伊東さんが映画雑誌の取材に応えられていた中に
「脚本読んで面白かったんです」
という一文があった。
この一文に救われた。
ご本人に直接言われたわけでもないのに、その一文には本当に救われた。
この一言で脚本家を続けてみようと思えたと言っても過言ではない。
そんな恩人との今年四本目の共演。いとありがたし。
家元・立川談志さんの訃報。
立川流Bコース真打ちミッキー・カーチス師匠、その弟子であるオレは立川流の新年会に何度か参加させてもらったことがある。
正月二日の早朝、家元の誕生日でもあるその日に御自宅の周りに一門の皆さんが集合する。
紋付き袴でピリリとした緊張感の異様な一団。
そこへ家元がやってくる。眩しいほどの笑顔。
この人の芸、この人の生き方、この人の笑顔に惚れて、一門の皆さんはここにいる。
参加したといってもオレは毎年リングサイドのような近い場所で見ていただけで、何かを語る資格はないのだが、
男に一生を変えてしまうほど惚れられる男、そんな人と同じ空気を吸えたこと、そして、あの笑顔を見ることできたことは大切な宝物だ。
や、同じ時代にいることができたことが、もうありがたいのかもしれない。
「立川談志さんって、すごい芸人さんがいてね」
伊東さんが往年のスターのお話をしてくださるように、
オレにも若い世代に伝えるべきことがある。
同じ時代にいたんだから、その資格は少しはあるだろう。
先輩の話を聞きたがる後輩でいるのは好きだけど、
後輩が話を聞きたくなる先輩にもならんとなぁ・・・。
そんなことを考えた、昨日今日。